トラックモジュールフレーム及びロール成形技術を用いた在庫ゼロの順序生産ラインの開発

1 開発の背景と内容
 大中型トラックは、全長や積載量、車軸数などが異なる多種多様の仕様があり、従来の工場では複数の組立ラインで生産していた。特に、トラックの部品の中で最も大きな部品であるフレームのサイドレールは種類が多いため、多くの部品在庫を持たねばならず、この在庫数を減らすことが大きな課題であった。 本業績は、工場新設に合わせ、サイドレールの部材供給から車両完成まで一本で繋がる大中型トラックの混流生産ラインを開発し、高効率な順序生産と紊期の短縮を実現したものである。
 


2 特徴と成果
 モジュール化したサイドレールを部材から車両完成まで一本で繋がる生産ラインを開発し、在庫ゼロの順序生産を可能としている点が本業績の最大の特徴である。 これを実現するために、サイドレールの可変ロール成形技術を開発し、トラック毎に異なる寸法形状等に一個ごとに成形することに成功した、ロール成形はコイル材から同一断面形状の製品を連続生産するのが一般であるが、本業績では、サイドレールの長さに切断された厚みと幅の異なる平板材を対象とすることから発生する課題を、16段ロール成形機の各段の上下ロール位置をNCサーボモータとボールねじにより自動制御し、矯正ロールを設定するなどの工夫によって解決している。レール成形ラインはグリッドホールのNCパンチ工程と孔位置の自動検査工程を経て、新たに開発した防錆技術を盛り込んだ粉体塗装ラインに繋がり、洗浄、塗装、乾燥を短い距離と時間で行えている。大中型トラックを対象とした高効率生産システムを実現し、従来比で仕掛け在庫を60%減、防錆性能を2倊、紊期の4日短縮などの大きな成果を得ている。  


3 将来展望
  可変ロール成形機の開発等によって2016年10月から稼働した、最新鋭の生産 ラインであり、順調に生産量を増やしている。作業環境や安全面での配慮も優秀であり、理想の工場を目指して、世界に類を見ないトラックの生産システムを構築したものである。モジュール化をさらに進めるなど、地道な改善に取り組んでおり、世界展開においてモデルとなる基幹工場としての役割を果たすことが期待できる。