導電性高分子を採用したデジタルインフラ向け
高性能アルミニウム固体電解質コンデンサの開発


1 開発の背景と内容
 近年、通信速度の高速化やサーバーのデータ量の増加に伴い、基地局やサーバーに搭載されるCPUの消費電流が増加、周辺に搭載されるコンデンサに対して、大容量化に加え、高温耐性・長寿命への要求が年々高まっている。本業績の対象である、導電性高分子を用いたアルミ電解コンデンサは、1990年に商品化されて以来、高性能化と製造プロセスの革新を進めることによって、電圧及び温度変化に対する容量値の優れた安定性に加え、小型大容量、及び低抵抗な特性を確保しつつ、高温での長寿命を実現し、上記のニーズに応えることができる製品として、幅広く用いられている。
 


2 特徴と成果
 本製品を製造する上でのキー技術は、大容量化のためアルミ表面をエッチングにより粗面化する工程、抵抗低減のため固体電解質として導電性高分子膜を形成する工程、更にこれらを含む製造工程を安価に実現するためのパナソニック独自の生産方式と、異なる品種を共通の生産設備で実現する生産工程標準化方式にある。特に本業績では、電極となる導電性高分子薄膜を、環境負荷が低い自社独自の重合材料で形成することにより、高温長寿命性能を実現する手法を確立している。加えて、アルミ薄膜の加工から最終製品まで一貫した生産システムにより、各工程の最適化と標準化を進めることで、高性能の多品種製品を低コストで実現できる生産方式を構築しており、高い生産実績とグローバル競争力を獲得している。この他社の追随を許さない製品競争力は、アルミ表面の粗面化や低抵抗高分子成膜などの要素技術の卓越性に加え、自主開発による独自性の高い優れた生産システムにより、もたらされたものと言うことができる。  


3 将来展望
  今後、基地局やサーバーなどのデジタルインフラ市場において、高温環境での需要の高まりが想定されることから、電圧及び温度変化に対する容量値の安定性に優れた本コンデンサは、引き続き重要性の高い製品と考えられる。より高温かつ長寿命の製品実現のための材料開発も進展しており、独自性・一貫性を活かした生産方式により、将来にわたっても、高い製品競争力を維持し続け、グローバルな情報化社会の発展に寄与できるものである。