リチウムチタン酸化物負極を用いた高入出力、
高安全性長寿命大型二次電池の開発

1 開発の背景と内容
 自動車等のモビリティの電動化などに適用可能な大型二次電池の開発・実用化が進められているが、従来のリチウムイオン電池では一般に黒鉛を負極として用いているため、要求性能である高入出力、急速充電、長寿命、高安全性を同時に満たすことは困難であった。本業績では、リチウムチタン酸化物(LTO)を用いた負極開発、負極量産技術を開発し、高性能と安全性を有する大型二次電池を実現した。 。
 


2 特徴と成果
 化学的に安定で充放電に伴う体積変化が小さいLTOを用いて、充放電反応過程の解明に基づいて、その微粒子化、粒子表面の上純物除去、多孔質電極膜形成を行うことにより、高入出力特性、急速充電性能、長寿命、高安全性を兼ね備えた負極の開発に成功した。2008年には世界で初めてLTO負極を用いた大型二次電池を製品化した。さらに、高速の電極塗工製造技術などを開発して量産拡大に成功し、2020年には年間1000万個の生産を達成している。この大型二次電池は、ハイブリッド車や鉄道車両自力走行用システムの電源、定置用蓄電システムなどに採用されており、利用が拡大している。  


3 将来展望
  本開発による大型二次電池は、高速な充放電特性に加えて長寿命、高安全性を備えているため、その特徴を活用できるシェアカーや公共輸送車を含む電気自動車、自動搬送機、太陽光・風力による電力の変動調整蓄電システムなどに、今後さらに利用が拡大するものと予想される。海外での事業展開も拡大する計画としている。これらにより、エネルギー・環境に関する課題解決に貢献することが期待される。